2025/12/10 21:00

クラフトビールの聖地 サンディエゴの歴史は、Karl Strauss Brewing (KSB) 抜きには語れません。
1989年に設立されたKSBは、サンディエゴで現存する中で最も古く、禁酒法後の時代に初めて創業したクラフトビール醸造所です。
Karl Strauss Brewing Company | Award-winning Craft Beer
サンディエゴ・クラフトの「ゴッドファーザー」
創業者のクリス・クレイマーとマット・ラットナー は、マスターブルワーであるクリスのいとこ、カール・ストラウス氏の助力を得て、ダウンタウン・サンディエゴのコロンビア・ストリートに最初のブルワリーパブをオープンしました。
KSBは、その後サンディエゴがクラフトビールの一大中心地となるきっかけを作ったと広く評価されています。
同社はブルワーズ協会によってミッドサイズブルワリー(中規模醸造所)に分類されていて、2016年には売上高に基づいて全米で47番目に大きいブルワリーとしてランクインしました。
また、その品質は権威ある賞によって証明されていて、2016年と2017年にはGABF(グレート・アメリカン・ビア・フェスティバル)で「Mid-Size Brewery of the Year(年間最優秀中規模醸造所)」に選ばれています。
2009年以降、獲得したメダルは120個を超えています。
必飲のフラッグシップと革新的なビール
KSBの代表作にして、世界で最も多くの賞を受賞しているビールの一つが、「Red Trolley Ale(レッド・トロリー・エール)」というアイリッシュスタイルのレッドエールです。
元々は最初のホリデーエールとして醸造されましたが、今では一年を通して提供される定番商品となっています。このビールは、深い銅色と、トフィーやキャラメル、ドライフルーツを思わせるリッチな味わいが特徴です。
定番ラインナップには、サンディエゴスタイルのIPAである「Aurora Hoppyalis IPA」や、ウェストコーストIPAの「Tower X West Coast IPA」、そして近年加わったリフレッシングなラガー「Follow the Sun Lager」など、多様なスタイルが揃っています。
2024年には、見た目はブロンドながらチョコレートやローストのフレーバーを持つ「Golden Stout」でワールドビアカップのシルバーメダルを受賞するなど、革新的なスタイルの技術力も示しています。
南カリフォルニア全域に広がる拠点と戦略
KSBは、サンディエゴ内の4S Ranch、Carlsbad、Sorrento Mesa、Downtown San Diegoを含む、南カリフォルニア全域で計9カ所のブルワリーパブを展開しています。KSBはこれらのブルワリーパブを、クラフトビールへの情熱を共有し、地域社会との強いつながりを築くための交流の場として位置づけています。
また、同社はKarl Strauss Distributing (KSD)という強力な自社流通部門も運営していて、2024年にはこの流通センターと本社をパウウェイの最新施設に移転しました。
この施設には6,500平方フィートの冷蔵保管スペースが含まれていて、物流の効率化と品質維持を最優先する戦略が明確に見て取れます。
KSDは、自社のビールに加えて、Bay City Brewing Co.やFieldwork Brewing Co.など、13の独立系クラフトブランドの流通をサポートすることで、南カリフォルニアの独立系クラフトビールエコシステムを強化しています。
サンディエゴ・クラフトビールの黎明期を支え、35年以上にわたり高品質なビールを提供し続けるKarl Strauss。彼らのパイオニア精神は今もなお健在です。
次にアメリカ西海岸を訪れる際は、ぜひそのレガシーをグラスで体験してみてください!