2025/12/26 21:00

サンディエゴのクラフトビールシーンを語る上で欠かせない存在、Modern Times Beer(モダンタイムス)をご存知でしょうか?独創的なビール、高品質な自社焙煎コーヒー、そして圧倒的なデザインセンスで知られるこのブランドは、今まさに大きな変革期を迎えています。


日本のビールファンの皆さんのために、彼らの魅力と最新状況をダイジェストでご紹介します!


Modern Times Beer: San Diego Craft Brewery
https://www.moderntimesbeer.com/


1. 「マルチバース」を標榜する独創的な世界観

2013年、サンディエゴのポイント・ローマで産声を上げたModern Timesは、単なる醸造所ではなく、醸造家、コーヒーロースター、料理の達人、クリエイターたちが集まる「マルチバース(多次元宇宙)」を自称しています。


彼らの最大の特徴は、ビールとコーヒーの融合です。創業当初からプロ仕様のコーヒー焙煎機を備え、単なるフレーバーとしてではなく、一杯のコーヒーとしても一級品の豆を自社で焙煎しています。また、1970年代のレトロフューチャーや理想郷(ユートピア)をテーマにした、カラフルで芸術的なブランディングも多くのファンを魅了して止みません。


2. 苦難を乗り越え、新体制での再出発

順風満帆に見えたModern Timesですが、急激な拡大戦略とパンデミックが重なり、2022年には深刻な財務危機に直面しました。複数の拠点を閉鎖し、一時は競売にかけられる事態となりましたが、現在はMaui Brewing(マウイ・ブリューイング)などを傘下に持つ「Craft ‘Ohana」の一員となり、復活への道を歩んでいます。


2024年には創業の地であるポイント・ローマの醸造所を閉鎖するという苦渋の決断を下しましたが、現在は同じサンディエゴの名門 AleSmith(エールスミス) と提携し、その最新設備でビール生産を継続しています。


3. これだけは飲んでおきたい!代表的なビール

Modern Timesのビールは、アロマ重視で非常にドリンカブルです。


  • Orderville(オーダーヴィル)
    Mosaicホップを主役にした、ジューシーでダンクなHazy IPA。彼らの看板商品です。

  • Black House(ブラックハウス)
    自社焙煎のコーヒー豆を使用したオートミール・コーヒー・スタウト。チョコレートやベリーのような複雑な香りが楽しめます。

  • MT Pils
    伝統的なドイツスタイルを追求した、驚くほどクリーンで爽快なピルスナー。

  • Fruitlands(フルーツランズ)
    パッションフルーツやグアバを加えた、甘酸っぱく塩気のあるゴーゼ。


4. コーヒーとホスピタリティの未来

ビールだけでなく、コーヒー部門も進化を続けています。2025年にはノースパーク地区に、コーヒーの焙煎とテイスティングの拠点となる「Cathedral of Caffeination(カフェインの大聖堂)」をオープン予定です。さらに、ダウンタウンにはレトロなSF西部劇をテーマにした新コンセプトのパブ「Timestead(タイムステッド)」も誕生しました。


現在のModern Timesは、かつての巨大な帝国から、より地域に根ざし、専門性を高めた「筋肉質」なブランドへと進化を遂げようとしています。


もしパブやショップで見かけたら、波乱万丈な歴史に思いを馳せながら、至高の一杯を楽しんでください!


それでは、また!